GM×2 - 第9話(未完)

※注意!
GM×2は2017年8月現在、8話以降の話が未完成状態にあります。
これ以降のものは「プロット段階」のものであり、大まかなストーリーがメモ程度にしか書かれていません。
それでもいい、とにかく結末だけ知りたい、という方のみお読みください。


【スフィアード・ペンタゴンからプログラムを手に入れて無事に帰艦したドロレス。アランは早速ノーバディにプログラムを入れ、遂にノーバディは兵器として完成する。これによりN&R社から第二次Y1鹵獲作戦が発令される】

「リベンジマッチだ、ドロレス。
 ICKXのY1が単独で飛行試験を行うという情報を得た。
 やっと、先日の借りを返す時が来たな」
「疑う訳ではありませんが………その情報が罠だという可能性は?」
「心配するな。これは本社の情報部が仕入れた情報ではない。
 この私が、自らICKXのネットに潜って手に入れた情報だ。
 信用という点では、これ以上ない代物だろう」


【アランはドロレスを出撃させるが、しかしアランの本当の目的は、Y1に残されているであろう前作戦で接触した不明機の情報である。今度はY1の制御中枢ではなく、レコーダーにハッキングを行う。あくまでY1にはバレないように】

「いいか、本社の意向など気にするな。おまえはY1の鹵獲ではなく、中のレコーダーの情報を抜き取れ。Y1の真意を確かめるんだ!あくまで欲しいのは記録だ。気取られるなよ」


【が、Y1はこちらの意図を予測していた。Y1はドロレスにゲームを持ちかける。】

「Y1から通信が入っています。繋ぎますか?」
『通信だと? ………よし。繋げ』
「了解です」
『あなたたちが来ることは分かっていました』
『ハッ! いけしゃあしゃあと。お前から誘ってきたのだろう?』
『まあ、その通りですけど』
「それで、あなたは一体何が目的なのですか?」
『「彼」から預かったメッセージを、あなたたちに渡すこと』
「………え?」
『メッセージ、だと?』
『当然でしょう。最後に「彼」に会ったのは私たちなのですから』
『なるほど。では話は簡単だ。すぐにそれを渡してもらおう』
『嫌です』
「………はい?」
『欲しければ力づくで奪い取ってください』
『は?』
『「彼」には少々お世話になりましたから。そのツケは、あなたたちに払ってもらうのが妥当でしょう?』
『フッ………結局戦うことになるのか』
「いいでしょう。もとよりそのつもりでしたから」
『手加減はしません。本気でかかって来なさい』


『………しかし、さっきの声は誰だ? Y1のドライバーは男性だったハズだが』
「案外、Y1のAIが勝手に仕掛けているのかもしれませんね」
『遊び好きで高飛車なAIか? どんなAIだ、どんな』



【勝負の結果はドロレスの勝利。撃墜まではいかなかったものの、機体に大きなダメージを受けたY1はドロレスの実力を認め、『糸繰り』に関する2つのデータをドロレスに渡す。1つは糸繰りと最後に交戦した場所の座標。もう1つは糸繰りからのメッセージだった】

「これで………どうです!」
『………参りました。降参です』
「では!」
『はい。約束通り、あなたたちに「彼」からのメッセージを渡します。ですが………後悔することになるかもしれません』
『何? どういうことだ?』
『私たちが「彼」を最後に見た時。「彼」は、大勢の敵機に囲まれていました。それも、たった独りで』
「……………ッ!!」
『そんな「彼」が、去り際にこっそりと私たちに託したメッセージです。内容は……………想像できますよね』
「……………」
『私はただこれを渡すだけ。読むかどうかはあなたたちの自由です。……………それでは、さようなら』





[LETTER]

これを聞いている頃に俺は………って

俺までこんな月並みなセリフを言う日が来るなんてな。

このメッセージをお前が聞く日が来るのかどうか、俺には分からない。

カケラとなってネットの海を漂うお前が、再び自我を持つ確率はあまりにも低い。

たとえ奇跡的に自我を持ったとしても、それはお前とは別の存在かもしれない。

けど。

それでもきっと伝わると信じて。俺はこのメッセージを残す。


「こちらこそ、ありがとう」