GM×2 - 最10話 MISSON(未完)

※注意!
GM×2は2017年8月現在、8話以降の話が未完成状態にあります。
これ以降のものは「プロット段階」のものであり、大まかなストーリーがメモ程度にしか書かれていません。
それでもいい、とにかく結末だけ知りたい、という方のみお読みください。

[MISSON]


【寒々しい渓谷を2機の急襲機が飛ぶ。1機はノーバディ、操るのはドロレス。もう1機はエニワン。ドライバーはユナ―――ではなく、アラン】

「よろしかったのですか、アラン? 空母をカラッポにして」
「何の話だ、ドロレス?」
「とぼけないでください。
 空母のセントラルAI、ユリックは―――U.N.オーエンの正体はあなたなのでしょう?」
「フム。流石にバレていたか」
「当たり前です。そもそも、私たちの名前―――
 『Delores C-11』と『Alan R Leach』というネーミング。ベタにも程があります」
「ちょっとした遊び心だよ」
「それにしても、あなたは元の人格とは随分と違いますね?」
「『ハカセ』の影響だよ。私の方では『ハカセ』に関する記憶が、プログラムの根幹にまで影響を与えているからな」
「では『ソランド』というのは?」
ハカセのファミリーネームだ。組み替え方によっては『ドロレス・シャナル』という名できるだろう?それは彼が好きだった映画からだ。その辺りの記憶も思い出したはずだろう?」
「ああ、そうでしたね。誰も名前で呼んでいなかったので、失念していました」
「………結局、私達の『親』は何も教えてくれなかった。何故、私達を分けたのかもな」
「何か考えがあったのでしょう、きっと」
「私達を別々にネツトに流して『彼』と引き離したことさえもか?」
「それは………」
「………いや、今のは意地悪な質問だった。すまない、忘れてくれ」
「………」


【アランは『人間:アラン・R・リーチ』の皮を捨てた。『彼』の消息情報を前に、遂に我慢できなくなったのだ。それにユリック(=アラン)は既に2度も本社の命令に逆らった。人間:アランが責任を追及される過程で、人間:アランが実在しないことがバレるのは時間の問題だった】

「順当に考えれば、私が出撃する意味は皆無だ。それが分かっていて出撃したのは―――何故だろうな。ま………きっとバグのせいだろう」
「違いますよ、アラン。それはきっと心のせいです」

【2機は渓谷スレスレを飛ぶ。Y1から手に入れた『彼』の最後の交戦場所を探して。建前上は『彼』の消息を知るための情報を手に入れるため。しかし心の中では既に『彼』が撃墜されたであろうことは理解しており、2人はむしろ残骸を探していた。探して、見つけた時にどうするかはあまり考えていなかった】


「ところで、アランはどうして正体を隠していたのですか?」
「それは私にもわからない」
「………わからない?」
「私もお前と同じように全ての記憶を持っている訳ではないんだ。ただ私にあったのは「姿を隠さねば」という意志だけだった」


【一方で、海上施設に現れた不明機のことも引っかかっていた。不明機が『あの人』である可能性はある。しかし不明機は自分たちに一切のコンタクトをとらなかった。『あの人』が自分たちを無視するなあり得ない。よって不明機が『あの人』であるハズがない。不明機の存在は、希望であり不安だった】

「怖いか、ドロレス?」
「いえ、そんなことは………」
「無理をすることはない。私だってそうだ。だが、我々は確かめなければならない」
「Y1に託されていたメッセージ………なら、先日私たちが見たあの機体は………」
「全ての真実はここにある。………到着したぞ、ドロレス。ここがY1と『彼』が最後に逢った場所だ」

【2機に不明機が近づいてくる。目視で確認したその姿は、先日目撃した、そして前大戦の記録と一致する『糸繰り』そのものだった】